江戸城散歩

いちど江戸の象徴・江戸城をゆっくり歩いてみたいと思っていた。旅の支度をして名古屋発7時15分の新幹線に乗るとじつに早く、9時前には東京駅に着いていた。向側に丸ビルと新丸ビルが並んで建っている。今日は朝から上天気で、途中静岡駅を過ぎるとまもなく美しい富士山が姿を見せてくれた。

本丸を目指し皇居東御苑の「大手門」に向う。和田倉濠の側まで来ると、ここには御評定所や京都からの勅使が泊った伝秦屋敷跡があった所で和田倉噴水公園を通り抜け、内堀通りを北に行くと大手門があるが、その先の「将門の首塚」に寄り道して大手門をくぐり入城すると皇居東御苑だ。

奥へ入って行くと「同心番所」「百人番所」「大番所」があって、御三家を除くすべての大名は同心番所で籠を降りて徒歩で登ったとある。屋根には葵の御紋と菊の御紋の瓦が見え、曲がりくねった坂を上って行って中雀門跡を過ぎると、いよいよ本丸へ入っていくことになる。

かっては絢爛豪華な大奥や天守閣があったが今は芝生公園になっていて、篤姫で注目の大奥や松之廊下跡には案内板が立っているだけだ。江戸城と言えばやはりNHKの大河ドラマ‘龍馬伝’に登場する最後の将軍・徳川慶喜で、その後静岡、東京へ移り大正2年77歳まで長生きした。
新幹線から見る富士山
将門塚 将門の首塚 和田倉噴水公園
巽櫓 大手門 松之大廊下跡
同心番所 百人番所 二の丸雑木林
一度訪れてみたいと思いながら二の丸雑木林、二の丸庭園を散策して、天神濠の先まで来ると「平川門」が見えて来た。
鬼門にある為不浄門とされ、刃傷事件を起こした浅野内匠頭が出されたのもこの門である。

本丸北側に大きな石垣の天守台が見える。天守閣は明暦3年(1657)の大火で消失し、その後再建されることはなかった。
登ってみると皇居周辺を見渡せ、本丸の南には大火後、天守の代わりを担った富士見櫓がある。北詰橋門を渡ると北の丸公園。近くに「清水門」がある。
二の丸庭園 天守台
池波正太郎の小説「鬼平犯科帳」の主人公・長谷川平蔵が率いる火付盗賊改方の本拠地として紹介されている役宅は、この清水門の正面にあった。

今は駐車場になっている。日本武道館の前を過ぎると「田安門」がある。江戸城最古の枡形城門で、国の重要文化財に指定されている。田安門を抜け、靖国通りに出て九段会館まで行ってみた。

くだん亭」で昼食を摂ってひと休みしたところで、時間はタップリあるから「靖国神社」に立寄り、千鳥ケ淵沿いの遊歩道を歩いて行くと半蔵門が見えてきた。
平川門 大奥跡
お濠のボート乗場では水上から景色を楽しむ人達が見える。ボート遊びとしては桜の季節が最高だろう。ジョギングを楽しむ人達とすれ違いながら歩いて行くと「桜田門」の前に出た。

左に抜けると、おなじみの「二重橋」。伏見櫓と重なる眺めは絶好の撮影ポイントで大勢の観光客で賑わっている。皇居外苑を進むと、馬場先濠の先に明治生命館が見える。
明治9年に竣工したコリント式円柱が印象的な重要文化財で、土日は無料開放されていてラウンジや会議室、応接室などを見物した。
田安門 諏訪の茶屋
江戸時代は定火消御用屋敷があった所で、歌
川広重の生誕地でもある。帰りがけに丸ビルの35
階に上がってみた。
お濠端が一望でき、二重橋や桜田門の向こうに国
会議事堂も見える。楽しみにしていた丸の内側のレ
ンガ駅舎は現在復元工事中で見えなかったが、平
成23年度末の完成を目指している。

スタート地点の東京駅まで戻って着たら15時だった。定番の深川めしを購入、土産とした。
千鳥ケ淵遊歩道 二の丸庭園
ウメモドキ<二の丸雑木林> ツワブキ<二の丸雑木林> 桜田門
桜田濠 二重橋の向こうに伏見櫓 ジョギングを楽しむ人達
明治生命館 食堂 応接室
所在地MAP