中山道・十曲峠
中山道・落合宿の十曲峠入口から登るコースは国の史跡に指定された「落合の石畳」の道が続き、昔の面影を偲びながら歩くには最適の場所で、下桁橋は安藤広重の浮世絵にも描かれている。途中無人となった石畳茶屋があるが、休憩するにはピッタリの場所だ。馬篭宿からは恵那山が大きく姿を見せ、島崎藤村ゆかりの「藤村記念館」もあって寄り道したい所である。 
   
 落合宿本陣 医王寺 
所在地MAP 地図リンク
 ルートの紹介
中山道・十曲峠はまだ行ったことがない。ようやく春の気配が感じられるようになった3月9日、落合宿から難所のひとつ十曲峠を越えて島崎藤村「夜明け前」の舞台にもなった馬籠宿まで距離およそ5.2kmを歩いた。

県道7号線の左、落合川に架かる下桁橋を渡り進むと、この道が中山道であり参勤交代の大名も通り、皇女和宮も通り、尊王攘夷派の武田耕耘雲斉をはじめ水戸天狗党の浪士達も通った道だ。島崎藤村「夜明け前」には主人公・青山半蔵が京都行の二百四十人からの新撰組の一隊を雪の中の馬籠宿で迎えたとある。落合宿に着いたのは8時半を少し廻っていた。

しばらく緩やかな街道を進み医王寺の境内に入って行くと、池の端に芭蕉の「梅が香にのっと日の出る山路かな」の句碑がある。中山道の道標から木曽と美濃の国境・新茶屋まで林の奥に向かって石畳の坂道が続いている。新茶屋まで来ると藤村が揮毫した有名な「是より北木曽路」石碑が立っていた。
           
     
 医王寺境内の芭蕉句碑 十曲峠の石畳   中山道道標
 芭蕉も45歳の時、木曽路を旅して「送られつ送りつ果ては木曽の秋」などという句も残している。1時間程で中津川盆地を見渡せる展望所に出ると「桑の実の木曽路出づれば穂麦かな」と刻まれた子規の句碑を見かけた。この時期の十曲峠を歩く人は全く無く、おかげで静かな山歩きを楽しめる。

正岡子規も中山道を経て松山へ帰省の途中馬籠で詠んだ句である。馬籠城址を過ぎた辺りから振り返ると恵那山が大きく見える。しばらく馬篭宿をうろついて「馬籠脇本陣資料館」にも立寄った後、「ます屋」の五平餅で腹ごしらえをして高札場跡からバスを利用し、標高801mの馬籠峠まで行ってみた。

帰りはほとんど下り道だから気楽なもので、もう一度十曲峠の石畳を楽しんでのんびり下り、そば処・くるまやに入りソバを食った。次回は奈良井宿から鳥居峠を越えて藪原まで歩いてみたい。万歩計をみると19851歩とかなり歩いた。
           
   
 国史跡「落合の石畳」 藤村が揮毫した「是より北木曽路」の碑 
   
 木曽と美濃の国境・新茶屋  馬籠宿
     
 木曽と美濃国境碑 馬籠宿  藤村記念館 
     
 馬籠脇本陣資料館  ロウバイ 標高801m馬籠峠 
     
 ます屋  ます屋店内  名物五平餅